現地調査から湧き上がる空間イメージ
浅元 歩
こんにちは。カエル・クリニック・デザイン(KCD) デザイナー/一級建築士の浅元です。
寒い日が数日続いたと思ったら暖かい日が来て、東京は三寒四温が顕著にあらわれる時期になりました。
花粉も舞い始めているようです。
今回の記事では、私の現地調査と設計のフェーズに対する向き合い方についてお話しようと思います。
現地調査からレイアウトイメージへの繋げ方
私の場合、現地調査をする際には、その場で出来上がる空間を頭の中にインプットするようにしています。
現地でお客様のご要望を伺ってその空間に滞在していると、そこから自ずと自分の中でイメージが湧いてきてレイアウトが頭の中で組み立てられてくるのです。

例えばですが、高級さを意識する患者様をターゲットに想定したクリニックのご相談の際、お客様から「この辺りに受付カウンターがあるイメージで…」というお話を伺うとします。
その瞬間から、お聞きしたコンセプトでこの空間に受付カウンターを配置するのなら、こんな照明だと素敵なのではないか、壁紙はちょっと深い色がいいかな、と頭の中で具体的なデザインの組み立てが始まり、いずれその空間が稼働して人々が行き交っているイメージまでもが膨らんでいきます。
もちろん後で確認する用に写真も撮影していますが、それはあくまでも記録としての情報となります。
大抵のケースでは写真を再度振り返らなくても、大体の必要な情報は思い描いたイメージと共に頭の中に入っています。
このように、現場調査時から頭の中に組み上がったイメージをご提案として後に具体化してまとめてご提示する、というのが大筋の流れになります。

まれに遠方のプロジェクトなどで、やむを得ず自ら現地調査に赴く機会を設けられないままレイアウトを組むこともありますが、可能な限り現場へ実際に足を運んで実際の空気感や雰囲気を確認させていただいてから作成するように心掛けております。
やはり写真や伝聞情報だけの空間情報と自分で実際に目にしてきた空間情報とでは、言葉では表現しきれない領域の部分でも空間への解像度が異なってくると考えており、よりデザインの狙いの精度を高めやすいと感じています。
内装工事をご用命の際は、ぜひ目指す空間のイメージやクリニックづくりのコンセプトについてお聞かせください。
お客様と一緒にイメージを膨らませ、未来の活き活きとした空間を実現するための具体化に精一杯お力添えさせていただきます。
デザイナー/一級建築士
浅元 歩